パワハラ

パワハラ 職場のパワーハラスメントとは?

パワハラ

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性(上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩や同僚間などの様々な優位性を背景に行われるものも含まれます)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

(平24年1月、職場いじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告より)

職場のパワーハラスメントの6類型

  1.  暴行・傷害(身体的な攻撃)
  2.  脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
  3.  隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
  4.  業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
  5.  業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
  6.  私的なことに立ち入ること(個の侵害)

職場のパワーハラスメントをなくすために

◎予防するために

  • トップのメッセージ
    (組織のトップが、職場のパワーハラメスントは職場からなくすべきであることを明確に示す。)
  • ルールを決める
    (就業規則に関係規定を設ける、労使協定を締結する。予防・解決についての方針やガイドラインを作成する。)
  • 実態を把握する
    (従業員アンケートを実施する。)
  • 教育する
    (研修を実施する。)
  • 周知する。
    (組織の方針や取組について周知・啓発する。)
◎解決するために
  • 相談や解決の場を設置する
    (企業内・外に相談窓口を設置する、職場の対応責任者を決める、外部専門家と連携する。)
  • 再発を防止する
    (行為者に対する再発防止研修を行う。)
(厚生労働省・参考パンフレット「これってパワハラ」より)

パワハラが認められた事例

◎ F社事件 長野地裁松本支部(平成29年5月17日)判決

【事件概要】
 被告会社の従業員4名が、代表取締役から在職中にパワーハラスメントを受けたと主張して、同代表取締役に民法709条、被告会社には会社法350条に基づいて慰謝料等を請求したもの。
(そのほかに、夏季賞与を根拠なく減額されたとして減額分を請求、会社都合の退職金の係数によって退職金を支給すべきと主張して支給された退職金との差額の請求、違法な降格処分をされたと主張して、当該処分によって支給されなかった金銀相当額の支給も請求された。)

【要旨】
①代表取締役が従業員に対してしたパワーハラスメントについて、当該代表取締役が不法責任を負うとともに、被告会社も会社法350条に基づき責任を負うとされた。
②被告会社及び代表取締役に対して、従業員4名が在職中にパワーハラスメントを受けた主張につき、代表取締役による50代女性の退職を促す発言や侮蔑的発言は、不法行為に当たるとして、相当額と認められる限度で請求が一部容認された事例。
③認められた慰謝料等の額

  • 従業員A 慰謝料200,000円、弁護士費用20,000円
  • 従業員B 慰謝料1,000,000円、弁護士費用100,000円
  • 従業員C 慰謝料50,000円、弁護士費用5,000円
  • 従業員D 慰謝料50,000円、弁護士費用5,000円
④その他の請求についても、賞与額や退職金の額、降格処分も違法なもとのしてそれぞれ一部請求が認められた。

(出典 労経速2318号26頁)

パワハラが否定された事例

◎ SGSジャパン事件 東京地裁(平成29年1月26日)判決

【事件概要】
 うつ病の診断を受け休職し、会社の就業規則で定められた休職期間満了を理由に退職を告知された労働者が、うつ病は過重な業務と食品事業部のテクニカルマネージャーのパワハラに起因するものであったうえ、休職期間満了時には復職が可能であったから、退職の告知は違法、無効であるとして労働契約上の地位にあることの確認を求めるとともに、退職扱いされている期間の未払賃金を請求し、また、前記パワハラ及び食品事業部長と人事部長の復職妨害により精神的損害を被ったとして慰謝料を請求した。
(そのほかに、就業していた分につき、未払いの割増賃金があるとして請求された。)
(被告会社から、本人負担分の社会保険料の立替金の反訴請求されていた。)

【要旨】
①原告が主張するような早朝深夜の持ち帰り残業が恒常的にあったとは認めがたく、その時間外労働は多い月でも月40時間を超えることはない。また、上司の原告に対する注意は、業務上の指導として合理的な理由があり、原告の述べる事実を検討しても、上司が原告に対し、パワハラや嫌がらせであると評価できる行為を行ったとは認められない。したがって、本件疾病の業務起因性を認めることができない。
②原告の休職から退職通知までの経過において、被告人事部長らは、原告に対し、十分に休養をとるよう指示しつつ、原告とも面談を重ね、原告が復帰するに当たっての条件について面談結果の確認を求めるなどして誠実に対応していた。また、被告会社から休職前のポジションに復職させない方針の連絡を受けるや、原告は体調悪化を理由に休職を続け、不合理な理由で面談を拒絶する態度をとった。被告人事部長らが原告の意図に沿った行動をしなかったからといって復職妨害になるわけではない。
③休職期間満了までに、本旨に従った労務の提供ができる程度に症状が回復していたとは認めることができず、就業規則に基づき、原告は休職期間満了日の翌日に被告会社を退職したというべきである。したがって、退職効果が発生していないことを前提とする原告の被告会社に対する地位確認請求や退職後の期間に係る未払賃金請求はいずれも理由がないとされた。
④原告の休職前の時間外労働に係る未払賃金は容認され、被告の反訴請求も認められた。

(出典 労経速2306号3頁)

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