法改正情報

1.特定法人についての電子申請の義務化(令和2年4月1日施行)


 ① 政府全体で行政手続コスト(行政手続に要する事業者の作業時間)を削減する取組を進めている中、厚生労働省においても社会保険及び労働保険等関係手続の電子申請の利用の促進を図っているところ、先般、より一層電子申請の利用促進を図るために関係省令(※1)を改正し、令和2年4月以降に開始される各特定の法人(※2)の事業年度から、当該特定の法人の事業所が社会保険・労働保険に関する以下の一部の手続(※3)を行う場合に、電子申請を義務化することになりました。

 ※1 関係省令は以下のとおり。
○「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則及び厚生労働省関係石綿による健康被害の救済に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(平成31年厚生労働省令第20号。平成31年3月8日公布、令和2年4月1日施行。)
○「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令」(厚生労働省令第19号。平成31年3月8日公布、令和2年4月1日施行。)
○「健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令」(平成30年厚生労働省令第154号。平成30月12月28日公布、令和2年4月1日施行。)

※2 電子申請義務化の対象となる特定の法人は以下のとおり。
○事業年度開始の時における資本金の額出資金の額若しくは銀行等保有株式取得機構がその会員から銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成13年法律第131号)第41条第1項及び第3項の規定により納付された同条第1項の当初拠出金の額及び同条第3項の売却時拠出金の額の合計額1億円を超える法人
○保険業法(平成7年法律第105号)第2条第5項に規定する相互会社
○投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号)第2条第12項に規定する投資法人
○資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第3項に規定する特定目的会社

 ※3 電子申請義務化の対象となる手続は以下のとおり。
○健康保険・厚生年金保険
・被保険者報酬月額算定基礎届
・被保険者報酬月額変更届
・被保険者賞与支払届
○労働保険
・継続事業(一括有期事業を含む。)を⾏う事業主が提出する以下の申告書
・年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出⾦申告書)
・増加概算保険料申告書
○雇用保険
・雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)
・雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)(雇用保険被保険者離職証明書を含みます。)
・雇用保険被保険者転勤届(様式第10号)
・高年齢雇用継続給付支給申請(高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書(様式第33号の3)(雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書を含みます。)及び高年齢雇用継続給付支給申請書(様式第33号の3の2))
・育児休業給付支給申請(育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書(様式第33号の5)(雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書を含みます。)及び育児休業給付金支給申請書(様式第33号の5の2))

② 令和2年4月以降に到来する各法人の事業年度の開始日以降に提出する手続きについて、電子申請により届出いただくこととなります(例:事業年度の開始が1月1日の場合は、2021年1月1日以降の届出が義務化の対象となります)。

③ 電子申請の義務化の対象は、本店、支店ごとではなく法人単位で判断することとなります。

④ 健康保険・厚生年金保険関係手続においては、対象法人を確認したうえで、対象法人及び当該法人に属する事業所に対して、別途ご案内通知等を送付することが予定されています。
雇用保険関係手続においては、年度末に発送する雇用保険の被保険者数お知らせハガキにより全事業所への周知を行います。
労働保険関係手続においては、令和2年度の年度更新申告書において、電子申請義務化の対象法人となる可能性がある法人については、その旨が表示される予定です。
なお、義務化の対象法人の範囲は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労働保険の4保険において同一です。

⑤ 電子申請の義務化に関するパンフレットにつきましては、厚生労働省ホームページをご参照ください。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00004.html)に掲載されております。